概要
CVS(Concurrent Versions System)とはバージョン管理ソフトです。個人で開発を行う際、チームで開発を行う際、開発ファイルのステータス管理(変更中など)、バージョン管理、履歴管理を行ってくれます。エディタ機能、Diff機能を外部機能として登録することにより、自分の好みに合わせたエディタ、Diffを使用することができます。
CVSはCVSサーバとCVSクライアントで構成されます。Windows環境、UNIX環境など様々な環境に対応したCVSソフトが開発されています。1台のサーバにCVSサーバと、CVSクライアントをインストールして使用することもできますし、CVSサーバを別サーバにインストールし、リモート環境から使用することもできます。
CVSサーバのインストール
Windows環境向けのCVSサーバ「CVSNT」のインストール方法について解説します。
2. インストール
2-1.
ダウンロードしたファイル(ここではcvsnt-2.5.03.2382.msi)をダブルクリックしてインストールを行います。インストールはAdministrator権限をもっているユーザで行います。ほとんどデフォルトの設定でインストールします。
2-2.
インストールを開始する旨のメッセージが表示されますので「Next」ボタンをクリックします。
2-3.
ライセンスを確認する画面が表示されますので、確認後、「I accept the terms in the License Agreement」にチェックをし、「Next」ボタンをクリックします。
2-4.
セットアップタイプを選択する画面で、ここでは「Typical」を選択します
2-5.
インストールをする準備が完了した旨のメッセージが表示されますので「Install」ボタンをクリックし、インストールを開始します。
2-6.
インストールが完了すると、完了した旨のメッセージが表示されますので「Finish」ボタンをクリックします。これでインストールの完了です。
2-7.
OSを再起動する旨のメッセージが表示されますので、「Yes」ボタンをクリックし、OSの再起動を行います。
3. 設定
3-1.
環境変数PATHにCVSNTのインストールディレクトリが設定されているか確認します。設定されていない場合は設定します。
3-2.
CVSサーバでは管理対象のファイルをレポジトリと呼ばれるディレクトリに保存し、管理します。ここでは、レポジトリのために、「C:\cvsnt\cvsrep」というディレクトリを作成します。
3-3.
テンポラリファイルを格納するディレクトリ「C:\cvsnt\cvstmp」を作成します。
3-4.
「コントロールパネル」→「CVSNT Server」をダブルクリックします。「Repository configuration」タブをクリックします。「Add」ボタンを押し、先ほど作成したレポジトリディレクトリを設定します。
Locationにはレポジトリディレクトリのパスを、NameはLocationを設定すると自動的に設定されます。
「OK」を押すと「Do you want to initialise it?」というメッセージが表示されますので、「はい」を押します。これで、レポジトリが作成されます。
3-5.
「Server Settings」タブをクリックします。Temporary Directoryに先ほど作成したテンポラリディレクトリを設定します。
3-6.
レポジトリディレクトリ、テンポラリディレクトリの設定を完了したら「適用」ボタンをクリックします。
3-7.
「About」タブをクリックします。「CVSNT Service」と「CVSNT Lock Service」がそれぞれ、Runningになっているか確認します。なっていない場合は、それぞれの「Start」ボタンをクリックし、Runningにします。
3-8.
コマンドプロンプトを立上げ、以下のコマンドを入力します。-dはレポジトリディレクトリのパス、-rはCVSサーバに存在するWindowsユーザ名、-aは追加したいCVSユーザ名を指定します。コマンドを実行するとパスワードを聞かれてくるので、パスワードを設定する場合は入力します。ここでは、パスワードは設定しないため何も入力せずリターンを押します。cvsuserというユーザが追加されます。
C:\>cvs -d e:\cvsnt\cvsrep passwd -r Administrator -a cvsuser
Adding user cvsuser
New password:
Verify password:
C:\>
CVSクライアントのインストール
Windows環境向けのCVSクライアント「WinCVS」のインストール方法について解説します。
2. インストール
2-1.
ダウンロードしたファイルを解凍して、その中の「wincvs_setup.exe」をダブルクリックしてインストールを行います。デフォルトの設定でインストールします。
2-2.
インストールの最後にCVSコマンドを実行するために「CVSNT」をインストールすることを表すチェックボックスが表示されます。ここでは、すでに前段階でCVSNTをインストールしているのでチェックを外し、「Finish」ボタンをクリックします。
3. 設定
3-1.
環境変数CVSROOTの設定を行います。CVSROOTは「:pserver:ユーザ名@サーバ名:レポジトリ名」です。ここでは、「:pserver:cvsuser@localhost:/cvsnt/cvsrep 」と設定します。レポジトリ名は、CVSNTのレポジトリの設定でName項目に設定した値です。
※環境変数はWindowsXPの場合は、「コントロールパネル」→「システム」の「詳細」タブ→「環境変数」で設定します。
3-2.
WinCVSを起動し、「Admin」→「Preferences」を選択します。「WinCVS Preferences」画面で「CVS」タブを押します。 「Home」にCVSサーバに接続する際のパスワードを保存するディレクトリを指定します。ここでは、cvsuserディレクトリを作成し、「C:\cvsnt\cvsuser 」と設定します。「OK」ボタンを押し、設定を終了します。
動作確認
CVSサーバ、CVSクライアントの動作確認を行います。
1-1.
CVSサーバが起動していることを確認します。
※「コントロールパネル」→「CVSNT Server」をダブルクリックし、「About」タブの「CVSNT Service」と「CVSNT Lock Service」がそれぞれ、Runningになっているか確認。
1-2.
WinCVSを起動し、「Admin」→「login」を選択します。CVSROOTの入力が求められます。すでにCVSROOTは環境変数で設定済みなので、CVSROOTのチェックを外し、「OK」ボタンをクリックします。
1-2.
パスワードが聞かれますので、設定した場合はパスワードを入力、設定していない場合は何も入力せず「OK」を押します。以下のように表示されれると正しくログインできています。
更新日:2007/01/27